最後のフィルム世代より

終わりが来る前に、まだ出来る事がある。

204.あの街に住みたい

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先日、出先で思い立ってとある街に訪れて、

僕は「ああ、この街は住んでみたいな」と思った。

 

来年から二人で暮らそうと話し始めてからいろいろな場所が候補にあがった。

中央線の奥の方、静岡の海に近い街、行楽地などなど。

勤めている会社が新幹線通勤を認めてくれているから離れた場所でもと考えていた。

今住んでいる街は結構気に入っているが、二人で住むにはちょっと高い。

ならいっそ離れた場所で、土日をゆっくり過ごせそうな場所に住んでみたかった。

 

しかし、その街は都市部に近く、むしろ都市部のひとつに数えられる、

多分友達にいえば「ずいぶんおしゃれなところだね!」と言われそうな、

それでも裏路地に流れている空気は下町のそれだった。

 

表通りに並ぶ店はほとんどが個人経営で、佇まいからは歴史を感じた。

広い道には観光地で休日だというのに訪日外国人客はほとんどいない。

暑さに負けて若干ふらつきながら駆け込んだ喫茶店は今までで一番の店だった。

見つけた古着屋では僕好みの白いシャツとデニムがたくさん売られていたし、

そこからちょっといった場所にあるパン屋はどうみたって美味しそうだった。

 

そしてその裏側に垣間見える地元の人の暮らし方は、

僕たちが理想としているもののように感じた。

通勤は今よりちょっと面倒くさくなるだろうけれど、

土日に二人で過ごせるであろう時間を考えると、

なんだかとても楽しくなったし、それは彼女も同じようだった。

 

引っ越すにはタイミングが肝要だ。

もしかしたら僕たちが動く時、そこに丁度収まる空きはないかもしれない。

でも、それでも、少し背伸びしてもいい、ここの一員になってみたい。

そんなことを思える初めての街に出会えた日曜日だった。

 

そうそう、タイトルの写真は、全く関係ないよ。

暑い日にはきっちり冷やしたハイネケンを飲みたいよね。それだけさ。

 

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