最後のフィルム世代より

終わりが来る前に、まだ出来る事がある。

047.少女は何も失わないさ



彼女達が僕のもとへ来て、もう二年以上経つ。


思えば最初はクロッキー帳に描いた、暇つぶしの落書きだった。
それがやがて意味を持ち、より鮮明な形を持ち、
今は僕の脳内の一角に街を形成して、そこで彼女達は暮らしている。

僕に取って彼女達は子供であり、友人であり、分身でもある。
そしてこれからも一生共に生き続けるだろう。
僕が死ぬ時が、彼女達の最期になるかもしれない。
もし誰かが彼女達を考えてくれていたら、話は変わるのだけど。
まぁ自分の蒔いた種なんだから自分でオトシマエは点けるよ。

去年の一年を通して、僕は彼女達とじっくりと話し合った。
それでも彼女達の意志の一体どれほどを汲み取れたのだろうか。
未だに完全な理解をしてやれていないし、
そして僕も、現状のそれで満足しているつもりもない。

これからも僕達の対話は続く。