最後のフィルム世代より

終わりが来る前に、まだ出来る事がある。

085.旧ソ連のライカ、FED-2

いい加減に、この旧ソ連のカメラについて語ろう。

 

FED-2 (industar 26M 5cm f2.8 )

 

といっても、スペックやら歴史的経緯は語らない。ググればたくさん出て来る。

少しだけいうなら、このカメラを作ったのはスターリンの大粛正によって生まれた、

多くの孤児達だと言う事。それだけは忘れずに覚えておきたい。

 

Untitled

 

名前はFED-2(フェド)。仕様的に見て、恐らくFED-2bと呼ばれるタイプだと思う。

バルナックライカのコピーモデルは、国内外問わずたくさん作られたけど、

FED-2はそんなコピーライカの中でも、オリジナルより使い易くなってる事で知られてる。

フィルム装填のしやすさと、距離計二重像がひとつのファインダーで見れる事がそれだ。

オリジナルのバルナックライカと他多くのコピーライカは、

ピント合わせ用のレンジファインダーと、構図決定用のファインダーが別々になっている。

FED-2はそれをひとつのファインダーにまとめているので、いちいち覗き直さなくていい。

レンジファインダー素人には扱い易いカメラだ。

 

さて、御託はこのへんにしておこう。カメラにとって、肝心なのは写りだ。

フェドを買う前、これを調べるのがとても難しかった。なんせ資料がほとんどない。

検索で出てくるページやブログはスペックや歴史背景を語るのが多くて、

実際の写真を掲載しているページは少ないし、かつ画像サイズが小さい。

なのでここでは写真をなるだけ大きく見せたいと思う。なんなら僕のFlickrでも見れるぞ。

使用レンズは純正のindustar 26M 5cm f2.8。スペックだけなら悪くない標準レンズだ。

 

kodak Gold200 + FED-2 (industar 26M 5cm f2.8 )

 

最初に使ったフィルムはKodakGold 200。粒子が結構粗い。

でもフィルムカメラを使って初日の男がこれを撮ったのだ。

そう考えると結構撮れてるほうじゃないか? そうでもない?

 

AGFAPHOTO VISTA400 + FED-2 (industar 26M 5cm f2.8 )

 

で、次に使ったのがAGFAVISTA 400

ISO感度はこっちのほうが高いのに、粒子はAGFAのほうが目立たない。

不思議だ。メーカーが違ったらISO感度の数値なんてアテに出来ないのだろうか

というか、すごく良く写ってる。もちろんE-M5と比べてはいけないけど。

 

AGFAPHOTO VISTA400 + FED-2 (industar 26M 5cm f2.8 )

 

中心がやや白っぽくなってしまってるのは、レンズのせいなんだろうか。

まぁこれも味といえば味かな。現行のレンズじゃこんなんならないしね。

 

AGFAPHOTO VISTA400 + FED-2 (industar 26M 5cm f2.8 )

 

これなんて屋内で撮ったんだけど、最高に気に入っている。

撮ろうと思って撮れる一枚じゃなかった。

現像から上がってきて、これを見た時はゾクッとしたなぁ。

 

AGFAPHOTO VISTA400 + FED-2 (industar 26M 5cm f2.8 )

 

一応暗いところでも撮ってみた。F2.8 + ISO400ならこの程度か。

それでもここまで撮れるなら満足だ。

 

AGFAPHOTO VISTA400 + FED-2 (industar 26M 5cm f2.8 )

 

レンジファインダー初使用で、期待を大きく上回る写真が撮る事が出来た。

そして、今までフィルムなんて……と思ってたけど、今回撮影から現像まで体験して、

その楽しさが判った気がする。こりゃー楽しいわ。ワクワク出来る。

撮るまでの間色々考えて、それが日を明けて思った以上に仕上がってきた喜びは、

ミラーレスでは味わえない感覚だ。それをフェドは教えてくれた。

最初のフィルム、レンジファインダーにフェドを選んで良かったと思う。

これで腕を磨いてからバルナックライカを迎えたって遅くはない。

 

もし、フェドを欲しい! と思った人がいたら、ネットショップで買うといいよ。

オークションっていう手もあるけど、送料高いし、プロの整備されてないしね。

King 2フォトショップサイトウで買う事が出来るから、是非覗いて見て欲しい。

個人的には、サイトウさんを推したい。King 2ちょっと高めだし。

 

フェドを使ってるブロガーの人ってまずいないと思うから、

これからはなるだけフェドを使って、いい写真を撮って、色んな人に知ってもらって、

この旧ソ連のライカを少しでも流行らせられたらいいなぁ。