最後のフィルム世代より

終わりが来る前に、まだ出来る事がある。

099.LC-A+を手に入れた

三ヶ月前に、こんな記事を書いた。

レンジファインダーカメラ、FED-2を買ってすぐに書いた記事だ。

この中で僕は一冊の本と、ひとつのカメラに触れた。

ケヴィン・メレディスの『たのしい写真が撮れる107の方法』と、

その中で何枚もの作品を撮っているカメラ、LC-A+だ。

 

最近になって写真の技術書やら本を少しずつ買い始めた僕だけども、

未だにこの本を越えるほど『いいな』と思えるものはない。

細かい技法じゃなくて、まるで口頭で説明してるかのような簡素な説明、

そしてそれを納得させる素敵な写真達。

日本人じゃ説明がくどくって、こういった本は書けないだろうな。

 

で、LC-A+。

冒頭にあげた記事にも書いたように、あのカメラはべらぼうに高い。

約3万。新品の交換レンズでも買えてしまえるほどの値段。

もっといえば、バルナックライカも買える値段。僕のⅲcと大して変わらない。

ケヴィンの写真を見返す度に、LC-A+は良い写真が撮れるカメラなんだって判るし、

同時に憧れもあった。ああいう写真が撮りたいな、と。

 

これはレンジファインダーカメラを使うようになって気付いたんだけども、

LC-A+はゾーンフォーカスの代わりに、露出計がついている。そして絞りはオート。

つまり距離がわかれば昼夜問わずシャッターを押すだけでフィルム写真が撮れるのだ。

実際フルマニュアルのカメラを使ってると、露出を計るのがちょっと面倒だったりする。

もちろん操作感とか、そこまで追い込んでいって撮る一枚の重みとか、感慨深さとか、

そういうのはあるんだけど、LC-A+はそれとは真逆のカメラだ。

つまり『適当でいいからとりあえずシャッター切ろうぜ』というスタンスなのだ。

最近コテコテのマニュアルに浸かっていた僕に、それは魅力的に思えた。

 

で、6/19。これはLC-A+の前機種『LC-A』が発売された日だそうだ。

今年で31周年。マイナーチェンジはしたとはいえ、これほど長く愛され続け、

未だに新品が手に入るフィルムカメラもそうそうないだろう。

そしてそれに合わせた、LC-A+のセール。なんと2万を切っていた。

 

もうこれは今が買う時なんだろう。

そう思って僕は、3年という年月を経て、ついに憧れのカメラを手にしたのだった。

 

my photo bible and LC-A+