最後のフィルム世代より

終わりが来る前に、まだ出来る事がある。

116.期限切れフィルムで買い納め

先日、不要になった機材を売りに出した後、銀座のカメラ屋をぐるぐると廻った。

といってもレンズとかを買えるような状態でもなかったので、ほぼ冷やかしだ。

銀座は本当にカメラ屋が多い。今回廻ったので6軒はあったと思う。

 

で、大体どの店にもおいそれと買えるような安価なレンズなんてのはなく、

「うわぁ〜ズマールでも高いんだなぁ〜」と思いながら5分くらい見ては出て。

その前にはかの有名な空気レンズ『ズミクロン 50mm F2.0』の性能が

どれほどのものかを見たかった、というのもあったが、

マップカメラで見せてもらってズミタールと大して変わらないなと思った。

多少の違いだけに手に入れる価値はないな、と思った。安心ともいうかな。

 

で、そんなカメラ屋巡り最後のお店で、興奮する出会いがあった。

ネットでは『実用品というより、コレクター向けの店』と呼ばれているとこで、

その噂の通り並んでる品の価格は平均価格よりも随分高く思えた。

が、その店のレジ近くにあったものに僕は釘付けになった。

 

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それがこれ。富士フィルムPROVIA 400Xと、AGFA vista 400。

値札が見えるだろうか。PROVIAが1000円、vistaが200円。兎に角安い。

察しがつく人もいるだろうけど、これは期限切れのフィルムだ。

最近になってクロスプロセス現像をよくやるのでリバーサルは期限切れでも嬉しいし、

vistaに関しては、古いフィルムのほうが発色が良いという記事を見た気がする。 

フィルムはこれ以外にもたくさんあった。ネオパンのISO400のやつとか。

市場がゆるやかに縮小を始めた今となっては宝の山だ。

フィルムが入った箱には『お一人様3つまで』と書かれていたのだが、

担当してくれた店員さんが、もう少し持っていってもいいですよと言ってくれた。

「えっいいんですか? AGFAとかもっと欲しいんですけど」

「いいですよ。あと2つ3つあったとは思いますから」

「なんかすいません、買い占めみたいになっちゃって。使ってみたかったんですよ」

「転売されるより使ってくれる人に売りたいですからねえ」

なるほど、ヤフオクで出てる期限切れのフィルムの出処はこういうところか。

 

期限切れのフィルムは前に試したことがある。

自宅にひっそりと放置されていたKodakのcolor plus 200だ。

 

 

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 確かこれは2011年のやつだったかな。結構ちゃんと色は出てる。

AGFAは多分これと同じか、ちょっと程度が悪いくらいになるだろう。

問題はリバーサルフィルムだ。期限切れで、しかもクロスプロセス現像。

一体どんな絵が出てくるんだろう。今から楽しみで仕方がない。

 

明日、今年最後の更新をします。