最後のフィルム世代より

終わりが来る前に、まだ出来る事がある。

108.フィルムカメラ始めて約8ヶ月で試したフィルム達

今回はこの記事の続き。

camera-stylo.hateblo.jp

 

前回自分で使って現像してきたフィルムの種類は7本。

それと比べると今回はちょっと少ないけど、5本のフィルムを紹介したい。

内訳はカラーネガ2本、モノクロ2本、モノクロだけどカラーネガみたいなの1本。

一番最後わけわかんないと思うけど、それは後ほど説明するよ。

 

ではまず最初の一本。Kodak Ektar 100。 

 35mmフィルムで現行ではKodak PORTRAシリーズと並んで有名なフィルムだろう。

粒子が非常に細やかで、引き延ばした時にも耐えうる絵が出るとのことだ。

かつてはコダックの専門店で特殊な現像(エクター現像)が出来たらしいけど、

今でも出来るんだろうか? 以下のは多分C-41で行われた現像写真。

 

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(使用レンズ Summaron 35mm f3.5)

 

実写サンプルはこんな感じ。シーン的に好みだったし、高解像なのはよかった。

けどなんだろう。発色が足りない。薄いのだ、全体的に。

次の一枚もなんだかあっさりし過ぎている。 レンズのせいもあると思うけど。

 

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(使用レンズ Summaron 35mm f3.5)

 

「うん、よく写ってるね。で?」っていうのが正直な感想である。

値段の割に恩恵にあやかれなかった。僕はコダックとトコトン相性が悪いようだ。

 

次はモノクロフィルム、FOMAPAN 100 classic。

www.foma.cz

海外メーカーのフォマが出しているモノクロフィムのISO100のフィルムだ。

これは前に紹介した富士フィルムのACROS100を紹介されていたブログで

おすすめされていたのを購入したやつだ。3本くらい纏めて買った。

 

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(使用レンズ Elmar 50mm f3.5)

 

まず最初に思ったのは『粒子目立つなー』だった。

アクロスが優秀だからか、それともフォマパンの特性なのか白い部分の粒子が目立つ。

白は白、黒は黒と割り切ったような描写は確かに良いかなと思ったけど、

これが上がってきた時はちょっとガッカリしたものだ。だけども。

 

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(使用レンズ Summaron 35mm f3.5) 

 

これを見て見直した。路面と車本体、そして光の質感が凄く良く出ている。

使っていたレンズはズマロンサンハン。フォマとズマロンの相性が良いんだろうか?

ともかくこの一枚が切欠で、フォマパンは好きなフィルムのひとつになった。

購入出来る場所が極端に少ないのが難点かなー。取り扱い店増えて欲しい。

 

次はLomography Color Negative 800。前に試したもののISO800の高感度版だ。

Lomo 35mm カラーフィルム(3個セット)

Lomo 35mm カラーフィルム(3個セット)

 

普段から高い感度のフィルムは無意識のうちに避けていたけど、こいつはどうだろう?(高いと日中開放で撮る事が出来ないのがちょっと嫌なんだよね)

 

FH000001

(使用レンズ Summaron 35mm f3.5)

 

一枚目からいじわるなシーンで。地元でよく行くカフェバーの机から。

これで机の上固定でF値は開放、確か1/60〜1/30くらいだと思う。

粒子はそりゃー目立つけど、とても暗い店内なのだ。これでも十分だ。

 

FH000030

 (使用レンズ Summaron 35mm f3.5)

 

翌日には新宿御苑に行って、明るいところでの一枚。

なんともいえない緑の発色。これが2015年東京の写真。違和感が凄い。

ノスタルジックな写真を撮るなら選択肢のひとつに上げてもいいかもしれない。

でもISO800はやっぱり扱いづらいフィルムだった。これももう買わないかなぁ。

 

次は、これはもう超イロモノフィルムだ。ネットにサンプルも殆どない。

なので検索で来てくれる人が居るといいな。RolleiのINFRARED 400。

www.sx70.co.jp

ローライ35や、ローライフレックスで有名なローライ社製のフィルムだ。

しかもただのモノクロフィルムじゃない。赤外線モノクロフィルム。

本来であれば赤外線フィルター越しに撮影し、専用の現像を必要とするけども、

僕の場合はそんな機材もないし出来る現像所を探すのも面倒くさかった。

なので、ズマロンやエルマーにレッドフィルターを噛ませ、

現像はトイラボにお願いした。さてどんな感じになったか、というと。

 

Sumarron f3.5 35mm + Rollei Infrared 400

(使用レンズ Sumarron 35mm f3.5)

 

モノクロフィルムなのに、空がしっかり写ってる!! 雲の輪郭とグラデが出ている!

これだけで十分感動した。四隅がフードでガッツリケラレているけど。

これは赤外線フィルム、というよりはレッドフィルターの効果な気もするけどね。

 

Sumarron f3.5 35mm + Rollei Infrared 400

(使用レンズ Sumarron 35mm f3.5)

 

これも気に入っている一枚だ。本当に空が綺麗に写る。

他のものが黒く潰れやすいのがデメリットだろうか。真ん中のは渋谷ヒカリエ

ラーニングコストは他のフィルムでレッドフィルターを使わないとなんともいえない。

でも綺麗な空が撮れたってだけで、僕には大満足のフィルムだった。

 

今回最後のフィルムも、ちょっとイロモノなフィルム。

モノクロフィルムメーカーの大手、ILFORDのXP2 SUPER 400。 

イルフォード XP2 スーパー 135 36枚撮り

イルフォード XP2 スーパー 135 36枚撮り

 

こいつがどうイロモノなのか、というと、現像の過程に理由がある。

細かい説明は省くけど、モノクロフィルムとカラーネガフィルムは通常行程が異なる。

現像の際に使う薬品が異なるのがそれの理由なんだけど、

その為かお店での現像に掛かる日数はモノクロのほうが圧倒的に長い。

このXP2は、モノクロの絵なのにカラーネガと同じ処理で現像が出来るのだ

現に朝の11時にビックカメラに現像に出して、13時にはもう出来上がっていた。

 

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(使用レンズ Elmar 50mm f3.5) 

 

散歩の途中で見つけたレストランで一枚。感度高いフィルムは屋内で使いたくなる。

それはそうとして、粒も目立たないし光は柔らかい印象を受ける。

 

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(使用レンズ Elmar 50mm f3.5) 

 

同じく散歩途中のお店で。こちらはもうちょっと暗いお店だった。

暗い所もちゃんと像は出ているけど、コントラストがややもやっとしている?

フォマパンみたいにパキッとしていないのは確かだ。

 

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(使用レンズ Summitar 50mm f3.5) 

 

最後に開放値2.0のズミタールでの一枚。これは友達の働いているバーの照明。

こうしてみると粒子はやっぱり目立つけど、嫌なざらつき方ではない。

別のブログの記事で描かれていた、なめらかという表現がぴったりだと思う。

あとXP2の写真全てに言えることだけど、完全なモノクロではない。

元々カラーネガの仕組みで白黒を出そうとしたのがXP2のはずだから、

だからちょっとRGBまざった感じになるんだよね。それも味なのかな。

ISOも高めだし、イルフォードは大抵のビックカメラで買える。

 

以上が今回5ヶ月の間で試した新しいフィルム達である。

この中でまた使いたい、と思うのはフォマパンとXP2だろうか。

片や実店舗では手に入りにくい、片や値段高めというデメリットはあるけどね。

人にお勧めするならXP2一択だ。扱い易いし、絵が好みなら買って損はないと思う。

 

専門用語もほとんどなく、感覚的な感想ばかりになってしまったけれども、

どこかの35mmフィルムユーザーのフィルム選びに役立てたら幸いだ。

 

 

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(使用レンズ Summitar 50mm f3.5)