最後のフィルム世代より

終わりが来る前に、まだ出来る事がある。

141.ジャンクかごからやってきた

先日T2のフィルムを出して現像を待っている間、

カメラのキタムラの中古品売り場をブラついていた。

そこを覗いたところで大抵は「わーたっかいなー」と思うだけで、

冷やかすのがいつものことだったんだけれども、

その日僕はジャンクかごの中に「おっ?」となるものを見つけた。 

それが旭光学製一眼レフカメラペンタックスSPだった。

これは現在のリコーペンタックスの前身である旭光学が出していたカメラで、

当時大卒の初任給が2万だったところ5万もして、それでも滅茶苦茶売れたらしい。

それだけ売れたカメラだから、今では使われなくなったのが大量に存在し、

ジャンクコーナーの常連カメラと化してしまっている。

 

僕も今日に至るまで、たくさんのペンタックスSPを見てきた。

一度ジャンクを買って修理しようと思ったけど、結局分解出来ず仕舞。

今回のも多分幕がずれたりしてるんだろうなーと思った。

けどそうではなかった。幕はピカピカだったんだ。

シャッターも速度変えればちゃんと動いてる。ミラーも跳ね上がる。

「もしや、これはいけるんじゃないか?」

 

早速持ち帰り、ミラーレスの時使っていたSMCタクマー55mm/1.8を付け、

コダックのスーパーゴールドISO400を込めてみる。

巻き上げノブを回して、ちゃんとフィルムが巻かれているを確認した。

タクマーはちょっとカビがあったけれど、さてどうだろう。

 

FH000004

 

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いや、驚いた! 全然普通に撮れるじゃないか! なにがジャンクだ!

ちょっとピント合わせが難しいところがあるけれど、

久しぶりに味わうf1.8レンズのとろけるようなボケは素晴らしい。

さらに言えば最短撮影距離は45cm。だから花も寄って撮れる。

もちろんf8くらいまで絞ればしっかしとした写真になるしね。

 

正直そこまで期待してなかったら、普通に良く撮れてびっくりしてる。

これはメインカメラのひとつにできるかもしれない。