191.2018
新年の挨拶をするのにはずいぶん遅くなってしまった。
ともあれ今年もよろしくお願いいたします。
さて、新年開けて早々、僕は新しいカメラとレンズを試している。
YASHICA FX-3と、Carl Zeiss Planar 50mm/1.4 AEJの組み合わせだ。
レンズのほうは説明不要だろう、ツァイスレンズの王道中の王道。
僕にヤシコンに興味を持たせてくれたフォトグラファー、
イナミリュウタロウさんが愛用しているレンズでもある。
本当に素晴らしい写真を撮られている。憧れの人だ。
そんなわけで、僕にとっては長く憧れていたレンズではあるのだが、
これがなかなか手を出せなかったのには理由がある。カメラ本体の話だ。
ヤシコン、正式名称ヤシカコンタックスマウントの一眼レフカメラは、
そのほとんどが電子シャッターを搭載しているモデルになっている。
これが僕はどうもひっかかっていた。
ライカから入った自分は、機械式に対して過剰なまでの信頼を寄せている。
機械式自体に、というより日本のカメラ修理職人の方々に対してだろうか?
特にペンタックスSPなんてのは修理できない人を探すのが大変くらいだろう。
逆に電子制御のカメラは基盤が壊れたら交換、できなかったらお終いだ。
ヤシコンの生産を行っていた京セラは2000年前半にカメラ事業から撤退している。
公式の完全なサポートが受けられなくなった今、
電子シャッター機に手を出すのは少々勇気がいることになった。
そこで調べたのが、ヤシコンマウントで、かつ機械式シャッターの一眼レフ。
コンタックスからはS2/S2bと呼ばれるモデルが出ている。
値段のわりにはスペックやシャッター音の評判が良くない。大体3〜4万程度。
次にヤシカのモデルで有名なFX-3 SUPER2000。最高速1/2000を搭載したモデル。
これがヤシコン機械式で人気のあるモデルで、大体6000〜8000円あたり。
そしてそのSUPER2000の旧型のFX-3 SUPER、さらにその旧型FX-3がある。
今回僕が選んだのはFX-3。値段は1000円だった。使い捨てカメラかよ。
そんなわけで、待望のプラナー50mm 1.4。
ヤシカ FX-3が届いてすぐにフィルムを詰めて試写してみた。
……あがってきた写真を見て言葉を失った。ひどい光線漏れだ。
今まで買ったフィルムカメラでこんなこと起きたことがなかったので、
受け取りの時に聞いて「嘘だろ?」と思った。それにしてもひどい。
そう思って裏蓋を見てみると、やたらめったらモルトが貼られている。
おそらく前の持ち主が貼り付けたのだろう。あきらかに貼らなくてもいい部分にある。
これを全部剥がして、ビックカメラでモルトを買い、見よう見まねで修理してみた。
その結果はこんな感じ。
多少はよくなった気がしてたが、条件によってはまだひどい。
この時は友人と中禅寺湖〜戦場ヶ原に行っていたのだけれど、
数枚ほど光線漏れを起こした写真ができてしまった。どうしたもんか…
モルトの貼り方が悪かったとすれば、裏蓋をしっかり塞げばとりあえずは治るはず。
そこで黒いビニールテープを買ってきて、カメラの裏蓋まわりをがっちりと塞いだ。
今度は一枚のみ、こんな感じのが撮れた。どうでもいい絵だからよかったものの、
裏蓋をがっちり塞いでも起きるっていよいよ原因がわからない。なんなんだお前は。
そんなわけですっかり使うのが嫌になってきたFX-3だが、
じゃあ肝心のプラナーの写りはどうなのかというと、
ざっとこんなもんか。発色、ボケ方は期待通り。
それとCONTAX T2のゾナーよろしく、絞り込んだ時の立体感がすごい。
地面と手袋のやつの石のゴツゴツ具合は目に痛いくらいだ。
かくして、FX-3という手のかかる問題児とプラナーという帝王のレンズと共に、
僕の2018年写真の日々が始まる。
あらためまして、今年もどうぞよろしく。