193.CONTAX 139 QUARTZ
年始に一番最初の記事で、carl zeiss Planar 50mm/f1.4と、
YASHICA FX-3を買ったのを書いた。
あのあと、FX-3を修理に出そうと思ったのだけど、ふと思った。
「どうせ修理に出すなら、CONTAXのを出したほうがいいんじゃないか?」
年始の一連の流れで、僕はすっかりFX-3を使う気力が失せていた。
フィルム室を黒いビニールテープで覆ってもダメだったのだ。
ならば、FX-3は最終手段として取っておくことにして、
憧れであり長年悩み続けたCONTAX一眼レフにいよいよ手を出すことにした。
では、機種はどうしよう。選ぶ基準はフィルムの巻き上げが手巻きであることと、
本体自体の小ささ。人気なのはアリアだけど、高いし自動巻き上げなのでパス。
そうなってくるとRTSシリーズか、139Qか、159MM、S2/S2bになってくる。
RTSは金属の塊で重たい(先輩が疲れると嘆いていた)と聞いていたのでパス、
159MMはシャッターを最速1/4000に引き上げるために無理をして壊れやすい、
S2/S2bはFX-3とシャッター速度以外変わんないし高いし、
消去法でCONTAX 139Qが残った。こうなるともう、これしかありえない。
しかし、探してみてわかったのだけど、この機種あまり出回っていない。
よく出回ってるのは167MTや、137MD/MA。159MMもほとんど見かけない。
悩んだ結果、FX-3と同じくヤフオクに頼ることにした。
落札価格は1000円でシャッター不動品。貼り革はボロボロだったので剥がした。
しかし届いた直後に動作確認のために電池を入れてレンズをつけてみたところ、
きちんとAEは動作しているし、シャッターも切れた。おや?
実は139は電子シャッターを採用しているので、電池がないとシャッターは切れない。
知識ない業者であればシャッター不動と言ってしまうのだ。ラッキーだった。
とはいえ、ファインダーの中はチリまみれだったり、AEの精度もわからない。
そしてFX-3よろしくモルトはボロボロ。またあの悪夢を引き起こすわけにはいかない。
なので小畑カメラサービスさんに修理を任せることにした。
京セラの下請け外注としてやられていた方だけあり、評判はよかった。
ついでにいうと139は古い機種故か、リペアサービス諏訪だと要相談になってる。
数通のメールのやりとりのあと、札幌に139を送り出した。
そして一ヶ月後、悪夢にまで出てくるくらい待ち続けていた139が帰ってきた。
ほぼオーバーホールみたいな修理だったようだけど、新品のようになって戻ってきた。
無限遠やピントの調整用に同封したプラナーもサービスで清掃してくれていた。
安かろうで買ったレンズだったのだけど、こちらもスッキリして戻ってきた。
見た目はばっちり。しかしカメラの本当の価値は、ちゃんと撮れるかどうか。
139は絞り値優先AEで最高速1/1000というスペック。実はAE付一眼レフは初だった。
絞り値だけを調整して、あとはシャッターを切ればいいというお手軽さ。
レンズはFX-3と同じcarl zeiss Planar 50mm/1.4。さて、どうだろう。
ああ、よかった。光線引きは一切なし。そしてレンズの発色も改善した気がする。
ピント合わせも、ペンタックスSPやNikon F2に僕は比べてやりやすかった。
絞り優先AEなので、露出計を構える時間も、脳内で計算するよりも早く動ける。
RTS譲りのフェザータッチシャッターは今まで使った一眼レフのレリーズの中で
一番軽く、とても短いストロークで切れる。音も小さめだし、ショックも軽い。
これまで139に手を出さなかったのは、電子シャッター故に、
いつかは壊れてしまう、修理もできなくなってしまうものだから。
これは前にT2を手放したのと同じ理由だった。
しかし、一眼レフならレンズが使えるボディがあれば使い続けられる。
それにこの世界から動くCONTAXが一切無くなるその前に、
使えるあいだにかつての名器を使っておこうと思った。
レンジファインダーはライカ、コンパクトでデジタルカメラでフジX70。
一眼レフはペンタSP、NIKON F2、YASHICA FX-3と来て、やっとCONTAX 139Q。
そろそろ使うカメラを落ち着けたいもんである。