197.最後のフィルム世代より
長く使っていたブログタイトルを変えることにした。
タイトルに使われている単語が、あまりにもありふれているからだ。
あれはあれで、とても気に入っていたのだけれどもね。
さて、名前をどうしようかなと悩んだ結果、
元々サブタイトルみたいな扱いだった言葉をメインにしてみた。
これも前から気に入って使っている。自負みたいなものだ。
僕が生まれたのは1990年。フィルムカメラでいうとCONTAX T2が発売された年。
物心つく頃にはそれがデジタルカメラに置きかわりつつある時だった。
そして今、フィルムは少しずつ終わりに向かっている。
大手フィルムメーカーは、既存のフィルムをどんどんなくしていっている。
フィルムでは収益があげられなくなっているからだ。需要が圧倒的に少ない。
その現実を受け止めなくちゃいけない。
「終わるものだから美しい、だなんて言わせない。フィルム文化を終わらせない」
そう息巻いている人を見た。そういう考え方もあるな、と思う。
だけど人間は終わるものに対して美を見出すものではないだろうか。
もちろん、僕だっていつまでもフィルムを使って写真を撮っていたい。
だけど、すでにたくさんのフィルムが消えていっている。
僕も好きなフィルムが廃盤になるのを体感して、悲しかった。
コダックのスーパーゴールド400は本当に大好きなフィルムだったよ。
フィルムは終わるとわかっている。けれど僕は、フィルムで撮るのをやめない。
今最後の一本に向かいつつあるフィルム写真文化、最後の世代として、
これからも僕はフィルム写真を撮り続ける。