207.M2が来たと思ったら帰っていった話
先日、かねてから購入を考えていたM型ライカを買った。
機種は35mmを基本画角としているM2。
今日撮り下ろし。これからよろしく! pic.twitter.com/f29uWDUS2p
— サカイ オツヒト@デザフェス L243 (@otuhito_pics) 2018年10月8日
バルナックライカからライカの門を叩いた僕だったが、やはりM型は欲しかった。
友達が使っていたM4-2を触らせてもらった時、ファインダーの見えは良かったし、
ピントの合わせやすさは間違いなくM型に軍配があがるだろう。
フィルムも裏蓋が開く様になって多少は入れやすくなったし、
レンズもライカはもちろん、コシナが今も新品を作ってくれている。
僕の中で、M型はバルナックの上位互換という印象だった。
長年使われてきたバルナックの欠点を改善して生まれたカメラ。
中古価格もバルナックのそれよりも高いし、
欲しいと思っても、おいそれと手が出せなかった。
だからこそ、手に入れた時の喜びと、期待はバルナックのそれを超えていた。
思えばそれがよくなかった。
M2、フィルム送り上手くいってない疑惑が……バルナックも勿論、今まで何台もカメラ使ってきてて一度もこんなことなかったのに…
— サカイ オツヒト@デザフェス L243 (@otuhito_pics) 2018年10月8日
買って数日後、会社に向かう道がてら写真を撮ってて気づいた。
本体の左側にあるフィルム送りを確認する赤い点2つ。それが回っていない。
おや? と思って撮ったあとにもう一度フィルムを巻いてみる。
"カリカリ"という、ひっかかる感触がした。赤い点は半周もしないで止まった。
つまり、フィルムのパーフォレーションがギアから外れてるのだ。
先に述べたように、僕の中でM型はバルナックよりいいカメラという位置付け。
バルナックはフィルムをいれるのにもコツがいる。知らないと確実に壊す。
それに慣れきっていた自分が、裏蓋が開くM型でミスするわけないと思っていた。
しかしどう見てもフィルムはちゃんと巻き上げられていない。
正直ものすごくショックだった。
失敗してしまったフィルムを取り出して、練習用のフィルムで何度か試してみた。
しかしそれでも途中でギアは外れる。気分の悪い感触が手に残る。
おいおい、まともに巻き上げできないぞ。なんだよこのカメラ……とか思ってしまってる。なに、M型ってバルナックより使いづらいの?
— サカイ オツヒト@デザフェス L243 (@otuhito_pics) 2018年10月9日
とりあえず帰ったら期限切れてるフィルムでフィルム装填の練習するけどさ、今まで使ってきたカメラでそんなこと一度もしてこなかったよ。バルナックはおろか、フェドだって。これが整備のせいなのかどうか。でも思わないじゃん、裏蓋開かないバルナックで出来てたことがM型で出来ないなんてさ…
— サカイ オツヒト@デザフェス L243 (@otuhito_pics) 2018年10月9日
安いカメラで巻き上げ不良なのは仕方ないかなって思うけど、値段が値段だけにすごいがっかりしてるし腹がたつ。なんだよこれ。
— サカイ オツヒト@デザフェス L243 (@otuhito_pics) 2018年10月9日
M2ぶん投げたい衝動に駆られるので木曜まで仕舞い込む
— サカイ オツヒト@デザフェス L243 (@otuhito_pics) 2018年10月9日
この時ツイッターで一人愚痴ってたのだけど、
M2への不信感が募っていくのが今見てもわかる。
生まれて初めてカメラ投げたいって思ったよ。
もちろん50年以上昔のフィルムカメラだというのは百も承知だけど、
このM2は整備済みと聞いていたから尚更ショックだったのだ。
整備されてんのにこの有様か! という。
一本目のフィルムにと込めた、AGFA Vista 400は15枚目で止まっていた。
最後の一枚はこんな感じで見事に多重露光しまくってる。
結局買ったお店に持ち込み、調子を見てもらってフィルムの入れ方を教わり、
そしてもう一本フィルムを試している途中でまたギアが外れた。
そして二日後にまた持ち込んで、今修理中というわけである。
まさか憧れのカメラでこんな目に遭うことになるなんて…
フィルムカメラの脆さ、危うさを改めて思い知らされる。
というわけで、修理から戻ってきて、ちゃんと使えたら改めて。
あ、一応1〜5枚目くらいまでは普通に撮れてたよ。