104.夏の終わりとエルマー
気がついたらもう夏はとっくに終わって、秋から冬になろうとしている。
前回夏休み前半のことを書いてから随分経った。
9月には大学4年間を一緒に過ごした大切な友人の結婚式を、
10月頭から中旬にかけては夏休み後半戦を過ごし、
その中でミラーレスのSDカードの容量と、ライカのフィルムをひたすら消費していた。
普段もっぱら持ち歩くのはフィルムカメラだ。ライカ Ⅲc。
付けてるのはエルマーか、ズマロン。ズマロンのほうが機会は多いかもしれない。
50mmという画角は標準というより、やや中望遠なのだということを知った。
35mmのズマロンはそのへん使い易くていい。見たまんまの景色な気がする。
ただ、これが結婚式だったり、水族館だったりになるとライカの出番はない。
E-M5にはパナライカのズミルックスが付いてる。50mmでf1.4。
不思議なんだけど、ミラーレスで50mmを使ってる時は別に中望遠とは思わない。
確かに見たまんまな印象だ。だから使い勝手が凄くいい。
多分本当は50mmが見たまんまなのだ。
それの結果が今すぐ見えるか、一ヶ月先じゃなきゃ見えないのかの違いで。
ライカで撮った時の、ファインダー越しの光景なんてはっきりと覚えてないからね。
Ⅲcのファインダーはお世辞にも綺麗とは言えないから、それも一因なのかも知れない。
ズマロンは35mmで、外付けファインダーを使ってる。こいつがすごく見やすい。
だからって50mmのファインダーを用意するのもバカバカしいというか、格好悪い。
バルナックライカはエルマーと組み合わせて、初めて工業製品として完成する。
何も足さないでいい、引かないでいい。余計なものがない美しさ。
エルマーを買った当初は慌ててフードなんかを探して、朝一番に上野に行ったものだ。
でもそれも最近使っていない。邪魔なだけだよ。考えて使えば、ちゃんと撮れるさ。
今エルマーは、かねてから不調だった絞りリングの修理を込みでオーバーホールに出している。
火曜には戻ってくるので、そこからフィルムカメラの50mm画角に改めて取り組んでみよう。
僕はまだ、あのレンズの本気を引き出せていない気がしてならないんだ。