最後のフィルム世代より

終わりが来る前に、まだ出来る事がある。

074.今宵も夢想

最近になって、やりたい事が出来たのでティザーサイトを作ってみた。 反応はボチボチあって、場所の選定も良さそうなところが見つかって現実味が出てきた。 しかし、年齢制限を設けた事やそのへんがきっかけでTwitterで軽く炎上した。 正直炎上なんて初めて経験した。うわぁ、こういう事か、と。 なんで好きな趣味事で平日からこんな滅入らなきゃならんのだ、と思ったが、 僕が悪い点も多々あるし、説明しとかないと収集がつかないので、 ここにまとめておく事にします。 JUGEMテーマ:万年筆

僕が最初にワーグナーに行って思ったのは『若い人、少ないなぁ』だった。 ここでいう若い世代は、僕と同世代かそれに近い世代。24歳前後だ。 多分10人もいなかったと思う。大半が40代の方達だろう。 上の方になると5060の人もいらっしゃる。 まぁ、そりゃーそうだよな、と思った。若い世代で万年筆使ってる人なんてほとんどいない。 勿論僕の周りには(類友的に)万年筆を使う友達がいるが、 初対面の人で、『万年筆使ってます?』といって『使ってますよ』なんて返事をもらった事はない。 そんな訳で、万年筆を使ってる若い人なんて、僕だけなんじゃないかって気がしてた。 ところが世の中には僕みたいな物好きが、それなりにいた。 最初にそんな人に会った時は、そりゃあ嬉しかったもんだ。 同世代で、同じような時代を生きてきた人と、万年筆の話が出来るんだから。 そしてその人達と知り合うに連れて、この人達ともっと気兼ねなく話せる場所があればいいなと思った。 僕が作ろうとしてる場所は、若い人達(それこそ学生だって構わない)が、 普段話せないような自分の万年筆の話を出来る場所だ。 ワーグナーでもそれに近い事は出来るだろうか。僕は100%同じ事は出来ないと思う。 ワーグナーにいる人達の大半は、いわば大先輩達だからだ。万年筆もそうだし、人生においても。 そういう人には自然と敬意を払ってしまうものだ。そして敬意は緊張も生む。 話してる時は楽しいが、その楽しさは『友達と話してる』時のソレとは全く違う。 僕がSIMPLOで作りたいのは『友達と万年筆の話をする』という体験なんだろう。 だからワーグナーじゃなくて、SIMPLOを考えた。 決して、ワーグナーで出来ない訳でもないだろうが、 よりしやすい場所があってもいいと思った。 諸問題の原因になったであろう35歳という制限は、僕が今回勝手に定めたひとつの基準だ。 最初『なんで35歳って年齢制限つけてんの?』といわれてビビった僕は、言葉を濁した。 だけどこれをこのまま濁したまんまにしといたら、年齢制限なんていつかなくなって、 それこそワーグナーの二番煎じになってしまう(そんなに長続きするかどうかも怪しいけど)。 だから、これだけは絶対譲れない。 僕は別に、『新しいワーグナー』を作りたい訳じゃない 僕達の世代の人達、そして僕達よりもっと若い世代が来やすい空気を作りたい。 万年筆の事に詳しくなくたって構わない、持ってなくたって構わない、 ペンクリだってしない。それはワーグナーでも出来ることだ。 ちゃんとした美味しい料理が出るような場所で、ソファに腰をおろして、 肩の力を抜いて、部室やサークルみたいに万年筆を語れる場所で一日を過ごそう。 “僕が作りたい”SIMPLOはそういう場所だ。 僕は別に、今在る集会が嫌いだから新しいところを作ろう、 って訳じゃないという事も、つけ加えておく。 それが切欠で出会った友達もいるし、研ぎを教えてくれる人にも出会えた。 そういう場所として、ワーグナーにはとても感謝してるし、これからも行きたいと思う。 だからSIMPLOは閉じた場所ではなく、オープンにしておきたい。 SIMPLOで会った同士でワーグナーに行く。それもまたひとつの楽しみ方だろう。 いきなり一人で行くのに、あの場所はなかなかしんどい。 言葉足らずで納得いかない人もいるでしょうが、 とりあえず、これが『SIMPLOを作ろうと思った訳』です。