087.エルマーのかわりにインダスターを手に入れる
バルナックライカでレンジファインダーが気になって、FED-2を買った。
しかし、付いてきたレンズは普通のレンズ。
僕は沈胴式がどうしても欲しかった。 一番有名なのはライカのエルマーだろうか。
バルナックライカとセットでよくブログやカメラ雑誌に載っている。
しかしこのエルマー、最近では本体より高い。本体よりだ。なんだそりゃ!
どんな写真が撮れるかを大きく左右するのはレンズだが、それにしたって高すぎる。
ましてやそんなのをフェドに付けるのはおかしな話だ。本体の五倍(!)もすることになる。
なので、またも僕はソ連のお世話になることにした。
FED Industar-10 F3.5 50mm。FED-2の初期型の標準キットレンズだったそうだ。
ヤフオクで4000円くらいで購入。4000円。約1/12。共産主義万歳。
これは見るからにエルマーのコピーだが、レンズの構成はカールツァイスのテッサータイプのそれらしい。
でもエルマーも同じ3群4枚で、テッサーの特許逃れのレンズだったそうだ。結論よくわからん!
さて、説明が遅れたが、沈胴式というのは今でならデジカメでは当たり前の、
沈んで本体に格納されるレンズだ。胴に沈むから沈胴式。解り易い。
撮影時は横から見るとこんな感じだが、
格納するとこんな感じに。レンズが出っ張らないから携行性が良くなるのだ。
内部にミラーを保たないレンジファインダーだから出来る芸当だろう。
実はこれの前に、最初Industar-22 F3.5 50mmを買っていた。
これは同じくソ連のコピーライカ「ゾルキー」の標準レンズだったそうだが、
残念ながら僕のフェドには合わなかった。
同じLマウントレンズのはずなのだが、ソ連製故の造りの荒さだろう。
ちなみに事情を話したら全額返金してくれた。サイトウさんには頭が上がらない。
さて、御託はここまでにして、実際の写りを見てみる。
絞りの操作には慣れが必要で、あとあまり寄れないレンズではあるが、
ご覧の通り、写りはとても良い。26Mにあった中心の色抜けがないのも嬉しい。
1枚目はロモグラフィーのISO100、二枚目はフィルムは富士フィルムの業務用 ISO400のもの。
ロモグラフィーのは、あのギトギト具合は出なかった。クロス現像じゃないとダメなのか、L-CAじゃないとダメなのか。
業務用フィルムは、あっさりとした色合いでこれはこれでなかなか。なんせ300円。安かろうなんとやら。
4000円の沈胴式レンズ。おもちゃみたいなもんだが、文句なしの写りだ。
正直エルマーがどれだけいいのか判らないので、これをバルナックライカに付けたっていい。
ドイツとソ連の間の子になるわけだけど、これを当時の人達が見たらなんて思うだろう?
ともあれ、僕のフェドはこれで完成したのだった。頑張って撮るぞー。