063.スターボーイはリンカーネイト
異世界を見てきた。
友達の誕生日を祝いに、恵比寿で一通り飲んだ後に鴬谷へ向かった。
着いた時間は午後十一時半。皆食事を終えゲームに興じていた。
僕は友達に万年筆をプレゼントし、そこでしばらく談笑した。
午前一時半になった頃にお開きにしよう、という事になって、
僕はその友達の家に一晩世話になる事にした。場所は南千住近くだという。
途中まで他に、もう一人の友達を交えて三人、懐かしい話に笑い合った後、
僕達は三ノ輪周辺の商店街を歩いた。随分懐かしさのある商店街だった。
僕はああいう商店街を歩くのは結構好きだ。夜の商店街も静かで雰囲気があった。
そして商店街の終盤に差し掛かったあたりで、その友達とは別れた。
さてあと家までどれくらいだろう? と思っていると、
「こっから先、世界変わるからね」
といった。どういう事だろうか? 思っていたが、答えはすぐに判った。
まず目の前に、地上30階くらいのマンションが唐突に現れた。
今までの商店街とは真逆の存在の出現に、僕は興奮してしまった。
「すっ、すげっ! でかっ! うわー!」
「これ、そんなに大したもんじゃないよ。駅超えるともっと凄いよ」
そういう友達の後に続き、南千住の駅を超えた時にさらに衝撃が走った。
そこは完全な未来都市だった。高層マンションが何棟も、整然と立ち並んでいる。
航空機がぶつからないように付けられた赤い警告灯がなんとも不気味に思えた。
その不自然さは、もはや現実のものとは思えない。CGでも見ているのか、と。
誰も住んでいない気がしてならなかった。
あの商店街も、そのうちに非現実的な街に飲み込まれてしまうのだろうか。
友達の誕生日を祝いに、恵比寿で一通り飲んだ後に鴬谷へ向かった。
着いた時間は午後十一時半。皆食事を終えゲームに興じていた。
僕は友達に万年筆をプレゼントし、そこでしばらく談笑した。
午前一時半になった頃にお開きにしよう、という事になって、
僕はその友達の家に一晩世話になる事にした。場所は南千住近くだという。
途中まで他に、もう一人の友達を交えて三人、懐かしい話に笑い合った後、
僕達は三ノ輪周辺の商店街を歩いた。随分懐かしさのある商店街だった。
僕はああいう商店街を歩くのは結構好きだ。夜の商店街も静かで雰囲気があった。
そして商店街の終盤に差し掛かったあたりで、その友達とは別れた。
さてあと家までどれくらいだろう? と思っていると、
「こっから先、世界変わるからね」
といった。どういう事だろうか? 思っていたが、答えはすぐに判った。
まず目の前に、地上30階くらいのマンションが唐突に現れた。
今までの商店街とは真逆の存在の出現に、僕は興奮してしまった。
「すっ、すげっ! でかっ! うわー!」
「これ、そんなに大したもんじゃないよ。駅超えるともっと凄いよ」
そういう友達の後に続き、南千住の駅を超えた時にさらに衝撃が走った。
そこは完全な未来都市だった。高層マンションが何棟も、整然と立ち並んでいる。
航空機がぶつからないように付けられた赤い警告灯がなんとも不気味に思えた。
その不自然さは、もはや現実のものとは思えない。CGでも見ているのか、と。
誰も住んでいない気がしてならなかった。
あの商店街も、そのうちに非現実的な街に飲み込まれてしまうのだろうか。