最後のフィルム世代より

終わりが来る前に、まだ出来る事がある。

096.嫌いな街

僕の本業はweb製作会社のコーダーだ。htmlという言語でサイトを作る人。

会社があるのはザ・若者の街、渋谷。ゴミ溜めのような街、渋谷。

もう通い出して4年くらいになるけど、センター街近辺はいまだに嫌いだ。

それは同じ渋谷に職場を持つ人、遊ぶ友達の皆が言う事。

あの街を心の底から愛せる人は、多分どっかのネジがないのだろう。

 

とはいえ、南平台まで足を伸ばせば、裏路地には閑静な住宅街が広がり、

猫があくびし、下校の小学生が見えない敵と戦っていたりする。

そういったシーンを見る度に、渋谷もまぁ捨てたもんじゃねぇなって思う。

そういうわけで、今回は撮ってきた写真の中から、僕の好きな渋谷を紹介したい。

 

AGFAPHOTO VISTA400 + FED-2 (industar 26M 5cm f2.8 )

 

僕の働く会社の近くには、タレントペットのお店みたいなものがあって、

お昼から夕方早くに掛けて、そこの店員さんが犬を散歩させていたりする。

この犬はなんていう種類なんだろう? 毛はふさふさで、前が見えないくらいだった。

 

Untitled

 

渋谷道元坂の上のほうにあるコーヒーショップ。about life coffee brewers

席は無く、店内には立ち飲み用の小さめのスペースがあるだけで、基本テイクアウト。

ここのカフェオレが僕は好きだ。使ってるガムシロップが他とは違う。

前に好きな人がアイスコーヒーを頼んだら、それはひどく酸っぱかったけどね。

 

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渋谷駅の宮益坂方面口、ヒカリエの真正面にあるバスターミナル。

僕は働く人の後ろ姿が好きで、よくこういった警備員さんとかを撮ったりする。

冷静に考えれば、時速30km以上の車が縦横無尽に走るド真ん中にいるわけで、

そう思ったらこれは結構怖い仕事なのだなと。慣れの問題なんだろうけどね。

 

SDIM0439

 

基本、服はユニクロな僕だけど、靴にはある程度こだわりがある。

そんな中で見つけた、渋谷で僕が通う唯一のセレクトショップMilok

場所が場所なだけあって、いつもゆっくりとした時間がここは流れている。

靴紐を変えれば靴の印象が変わるのも、ここのお店で教えてもらった事だ。

紐ひとつ買いに行っても、ここは暖かいコーヒーで迎えてくれる。

 

Untitled

 

これが今のところ、僕のイメージする素敵な渋谷を象徴する一枚。

アコースティックギタリストのSBALさんが、大阪のryo tracksさんと一緒に

渋谷駅西口前で路上ライブをやっていた時に撮ったもの。

路上アーティストってあまり好きじゃないんだけど、SBALさんは好きだ。

この時の演奏は本当に素晴らしかった。それを押さえられて良かったと思う。

そしてこれがタダで聴けちゃうのが、わかりやすく『渋谷』なんだろう。

うちの地元なんかでやったところできっと意味はない。

 

最初に言った通り、僕は渋谷という街が嫌いだ。

それでもその中に良いと思えるシーン、愛せる場所が少なからずある。

4年もあの街に居て毒されていないのは、そういう場所があるからだろう。

そんな場所を探して、今日もまた僕はあの街に赴くのだ。